こんにちは。SharePoint サポートの藤野です。
今回の投稿では、クロス ファイアウォール アクセス ゾーンと SharePoint Designer で作成したワークフローから電子メールを送信する際の制限事項について記載いたします。
【対象製品】
SharePoint 2010 Server
SharePoint 2013 Server
SharePoint 2016 Server
【前提情報】
本投稿にてご紹介するクロス ファイアウォール アクセス ゾーンの前提情報については、以下の公開記事に記載がございますので、参考情報としてご案内いたします。
<参考情報>
モバイル デバイスに対する外部アクセスを構成する (SharePoint Foundation 2010)
https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/ff393833(v=office.14).aspx
– 抜粋
クロスファイアウォール アクセス ゾーンは、モバイル通知メッセージ内で外部 PC やモバイルの URL を生成するときに使用され、ユーザーがリボンの [E-mail a link] ボタンをクリックしたときに、外部からアクセスできる URL を送信できるようにします。
【概要】
SharePoint Designer で作成したワークフローで電子メールを送信するアクションを使用する場合、送信されるメールの本文に含まれる URL は、ワークフローを実行したゾーンの URL となります。
この動作はクロス ファイアウォール アクセス ゾーン を設定した場合であっても同じになります。
【詳細】
オンプレミスの SharePoint Server では、インターネット ゾーンやイントラネット ゾーンなど、複数のゾーンからのユーザー アクセスを考慮し、URL からサイト リソースを特定できるよう、代替アクセス マッピングの機能を提供しています。
代替アクセス マッピングにより複数のゾーン URL を設定しているファームにおいて、クロス ファイアウォール アクセス ゾーンで特定のゾーンを指定することで、ユーザーが異なるゾーンからアクセスしているかに関わらず、サイトの通知機能や SharePoint 既定のワークフローが送信するメール本文に含まれる URL は指定したゾーンの URL となります。 しかしながら、SharePoint Designer で作成したワークフローで電子メールを送信するアクションを使用する場合、本文に含まれる URL は、ワークフローを実行したゾーンの URL となります。
SharePoint 既定のワークフロー (承認ワークフローなど) は、以下のようにクロス ファイアウォール アクセス ゾーンの設定が反映されるように実装されています。
<SharePoint 既定のワークフローが送信するメール>
本文に含まれる以下のメッセージ内の “ここ” をマウス オーバーすると、クロスファイアウォール アクセス ゾーンに指定した URL をポップアップ表示する仕組みを実装しています。
(クロスファイアウォール アクセス ゾーンを設定していない場合、ワークフローを実行したゾーンの URL となります。)
– 抜粋
このタスクを完了するには:
- テストアイテム を確認します。 (インターネットからこのアイテムにアクセスするには、ここをクリックします)
- このタスクに必要な特定の処理を実行します。
- [このタスクを開く] ボタンを使用して、タスクの状態を完了に設定します (このタスクを更新できない場合は、このタスクのアクセス権が与えられていない可能性があります)。
一方で、ユーザーが独自の処理フローを自由に作成可能な SharePoint Designer においては、ワークフローの実装内容に応じてクロス ファイアウォール アクセス ゾーンを判断する仕組みを取り入れることが難しいことから対応が見送られております。
本動作は、SharePoint Server 2010、SharePoint Server 2013、SharePoint Server 2016での制限事項となります。